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職場のトラブル予防と対策
 
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〜介護福祉関連の埼玉、IT関連の神奈川、サービス業の千葉などが当社のお客様分布の特徴です。〜

渋谷ほんまち社会保険労務士事務所


トラブル社員対策と就業規則作成 



あの社員の問題行動、どう対処したらいいか・・・

●就業規則で記載していないはずなのに、パートさんから退職金を請求された・・・
●長い休職期間の規定があるため、従業員を辞めさせられず、会社負担の社会保険料が重荷になっている・・・
辞めて欲しい社員がいるが言えない・・・
●社員がマイカー通勤中に人身事故を起こしたが、会社には、マイカー通勤管理規程も無かった・・・
無断欠勤をたびたび繰り返す問題社員を解雇したいのだが、就業規則にはそのような規定は無い・・・
休みがちな社員はどう対応したらいいのか・・・


多くの職場が上のような頭の痛い問題を抱えています。
 
厚生労働省が発表した資料によると、平成19年度の1年 間に都道府県労働局の相談窓口に寄せられた労働相談件数は、100万件近くにのぼり、個別労働関係紛争の裁判外紛争解決手続である「あっせん」の申請件数 は、7,000件を超えており、個別労働関係紛争の急増を示しています。

 
これら労務管理上の問題の発生を事前に防止できるのが就業規則です。例えば、あらかじめ就業規則に解雇理由を網羅しておかないと、使用者側の都合による解雇や懲戒解雇はできないことになります。
 
就業規則の作成と変更はこちら 
 
 
 
 
是正勧告への対応

 労働基準監督署による調査

■「臨検」とは、法違反の事実があるかどうかを調査するために事業場に相手方の承認・不承認にかかわらず立ち入ることを言います。
 労働基準監督署には、労働基準監督官という専門の職員がいます。監督官は、労働法規が民間企業で遵守されているかどうかを点検指導するのが職務であり次のような権限があります。

・事業場に臨検すること
・帳簿その他関係書類の提出を求めること
・使用者・管理者と労働者に尋問すること
・報告および出頭を求めること
その指導の行い方は定期的に実施される調査である定期監督と、従業員などの申告等による調査である特別監督があります。


調査の種類  調査対象と内容
 @定期的に実施される調査

労基署の調査は通常、書面などで事前に通知があります。その書面には調査日、調査場所、必要書類などが記載されています。もし調査日の都合が感ければ、調査日を変更してもらうこともできます。 
 <調査対象となりやすい会社>

・過去3年以内に労働法規の違反を行った事業場。
・就業規則や36協定を提出していない事業場。
・労働災害が度々起こる会社。
・労働者からの違反の申告が多い会社。     
・産業医、衛生管理者の選任・報告をしていない事業場   
・一般的に労働法規の遵守が遅れている第3次産業の事業場等。
 A従業員などの申告等による調査

従業員などが労基署に対して、会社の労基法違反などを申告した場合などに行われる調査。

 会社への立入調査が行われたり、労基署への出頭要請をされることになります。
労働者から労基法違反の事実があらかじめ労基署に伝わっていますので、厳しく調査が行われます。
 <調査対象となりやすい事項>

・労働時間や時間外労働などの把握ができているか
・残業手当や深夜手当などの割増賃金がきちんと支払われているか
・三六協定の届出ができているか
・労働条件通知書の交付ができているか
・労働者名簿や賃金台帳がきちんと整備されているか
・最低賃金を下回っていないか






 主な調査書類とチェック項目
@ 賃金台帳 ・賃金台帳が正しく作成されているか
・労働日数や労働時間、残業時間などがきちんと記入されているか
・残業手当や休日手当などの割増賃金が、正しく計算されているか
・最賃法に違反していないか
A タイムカード、出勤簿等 労働日数や労働時間、残業時間などが正確に算出されているか
B 労働者名簿 労働者名簿が正しく作成されているか
C 労働条件明示書・雇用契約書等 必要な労働条件について書面で明示されているか
D 三六協定 ・残業や休日労働を行わせるうえで、正しく三六協定を結び届け出ているか
・残業時間などが三六協定の協定時間を超えていないか
E 健康診断結果通知書 健康診断を正しく行っているか
F 就業規則があるとき 就業規則の内容に違反はないか
 
 調査が始まると、まず会社の労働条件に対する質問・確認があります。その後、書類をチェックし、不明な点があればその都度質問されます。
 その結果、法律違反などがあれば、是正勧告書の交付があります。


 是正勧告書と指導票
 監督官は調査を行った結果、労基法等に違反している事実を発見した時は、それを是正するように指導する権限があります。この指導をする時に書面で出されるのが「是正勧告書」です。是正勧告は明らかに法令違反がある場合です。A4大の用紙に違反事項、根拠条文、 是正期日が書いてあります。 同時に是正報告書もその場で渡されますので期日までに提出することになります。

 是正勧告書とは別に「指導票」を出す時もあります。法令違反ではないができることなら改善してほしい場合に交付する書面です。

是正勧告それ自体は期日までに法令違反を改善してくれという行政指導ですので強制力はありませんが、労働基準法、労働安全衛生法等には懲役を含む罰則規定があります。

 担当する労働基準監督官は、刑事訴訟法上の司法警察官です。誤魔化したり、資料を改竄したり、改善の意思がない場合など悪質と判断されると検察庁に送検されることもあります。 

 是正勧告書を受けてすぐできること
提出期限の延長の申し出が必要な場合
早速是正内容の検証の作業に入っていきます。サービス残業などの問題があると対応に時間がかかることがあります。是正報告書の提出期限に間に合いそうでなかったら、その理由を示して提出期限の延長の申し出をすることができます。

書類の不備はすぐに整備する
36協定未提出、法廷3帳簿(出勤簿、賃金台帳、労働者名簿)や就業規則などが適正に作成されていなかったり、不備があった場合はそれだけでも法令違反となります。
こうした書類の不備はすぐに対応しましょう。

 残業代の再計算をする

支払が必要な割増賃金額を再計算します。割増賃金の計算の基礎となる賃金は、通常の労働時間または通常の労働日の賃金です。
以下のものは原則として割増賃金の計算基礎には算入しません。もしこれらを含めて計算をしていたのなら残業代を減額することが可能です。
・家族手当
・通勤手当
・別居手当
・子女教育手当
・住宅手当
・臨時に支払われた賃金(賞与など)
・1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金

ただし、全員に一律に支払われるものについては算入の対象になります。
 割増賃金の基礎になる賃金に含まれるかどうかは、その名称ではなく内容により判断されます。

管理監督者の割増賃金の計算
管理監督者(労基法第41条)の場合は労基法による労働時間等の規制を受けず、時間外・休日労働の割増賃金の支払いも不要です。しかし、深夜業の割増賃金規定は管理監督者においても適用除外されないため、深夜割増賃金の支払い義務があります。

 ただし、労働協約、就業規則その他によって深夜業の割増賃金を含めて所定賃金が定められていることが明らかな場合には別に深夜業の割増賃金を支払う必要はない(昭63.2.14基発第150号)とされています。

 実務的には、就業規則等に、含まれるとする深夜割増賃金相当部分を(通常は金額を、場合によっては時間数で特定する。)他と区分して明示しておけば、基本的に問題はありません。
 この深夜割増賃金相当額部分を超える部分が割増賃金に相当します。

固定残業代を営業手当などに含めて支払っている場合
 例えば、固定残業代を営業手当などに含めて支払っている場合、その残業代が何時間分の残業代に相当するのか、及びその額(内訳)を賃金規程又は労働条件通知書などで明確に規定していないと、固定残業代を含んだ営業手当の全額が割増賃金の算定対象賃金とみなされてしまいます。

 営業手当などの職務手当や役職手当などは基準内給与です。基準内なのか、基準外なのかがあやふやになっていると原則どおり基準内とみなされますので、残業代と思っていた手当そのものにさらに残業代が計算されてしまいます。

年俸制を採用する従業員の割増賃金計算
年俸制も上と同様な考え方になります。年俸制であっても割増賃金の支給を免れるわけではありません。【参考通達】(平12.3.8 基収78号)

 年俸制の場合、年俸に割増賃金を含むとしていても割増賃金相当額がどれほどになるのかが不明であるような場合及び労使の双方の認識が一致しているとは言い難い場合については、労働基準法第37条違反として取り扱うことにする、という通達があります。


 

 訴訟リスクは残ります
 サービス残業については、労働基準法に基づくと遡って2年分の不払いについて支払うことになります。2年間分の支払いだとかなり巨額になります。
実際には労基署の勧告は必ずしも2年分と決まっているわけではありません。

 この場合、遡って当該期間の未払い割増賃金を支払う準備が必要ということになります。振り込んだ記録を残し証拠を添付して報告します。

 注意しなければいけないのは労働基準監督署から是正指導された不払い残業代を支払っても刑事罰を免れたにすぎない、ということです。従業員との合意が得られず訴訟になった場合、従業員から割増賃金の未払金のほか、これと同一額の付加金の支払いを請求されることもあります(労基法114条)。つまりこの場合は割増賃金の未払金の2倍の請求がされることになります。

 勧告書の内容をふまえた是正報告書の作成ます
 事前の予告で求められた書類だけでなく、法律で作成・保存を定められている労働者名簿や賃金台帳も整備しておきましょう。
 臨検があるからといってあわてて作るというのではなく、新たな労働者を雇ったらすぐに労働者名簿を作るなど、法定の書類は普段からきちんと整備しておくことが重要です。

臨検(労働基準監督官の会社への立ち入り検査)や労働基準監督署への出頭への社会保険労務士の同席には別途料金がかかります。(日当+交通費の実費。顧問契約を締結した場合は無料です。)




労働紛争への対応
〜未払い残業代請求への対応〜

未払い残業代を労働者が会社に請求してくるケースはいろいろありますが、概略すると、下記の5のパターンがあります。
 このなかで労働者がユニオンに個人加入して、ユニオンが会社に団体交渉に応じるよう申し入れをしてくるケースが会社としては対応に苦慮するところです。
 


<会社に未払い残業代を請求してくるルート >
 
 @労働者の労働基準監督署への申告
 
 Aあっせんの申請
 
 B労働組合・ユニオンからの団体交渉の申し入れ
 
 C労働審判への申し立て
 
 D民事訴訟
 


 労働紛争解決の方法とステップ (※ユニオンの場合)

 
※ユニオンとは一人でも加入できる合同労働組合です。近年、使用者が企業の労働組合ではなく、
個人加入の合同労組から解雇に関する交渉を求められる場合が多くあります。




<対 応> <ポイント>
T.申し入れへの対応  ・突然の申し入れへの対応と心構え
 ・担当者を決める、交渉開催申し入れに関する
  回答書作成、その他
U.当該事件に関する事実関係の調査・確認  ・対象労働者の雇用実態、就業実態の把握
 ・会社側の対応、賃金支払状況など
 ・契約内容、就業規則の把握
V.法的な見通しを確認  ・法律上の争点
 ・権利関係の把握、法的な責任の所在
 W.交渉にむけての方針の確認    ・交渉の相手の把握
 ・期日、時間、場所、参加者等
   ・交渉相手の見極め、日時、会場の設定と変更、
  会社側出席者の選別、その他
X.交渉への参加  ・相手側の主張と要望の確認
 ・解決に向けて着地点を探る
 ・本音と合意できる着地点を探る、妥協できる
  金額の想定その他
Y.解決の方向性と次のステップの検討  ・提示する条件の検討
 ・解決に向けての阻害要因
 ・代替案の検討
 ・金銭的解決
 ・労働審判制度の活用
 ・訴訟に向けての検討・準備
Z.就業規則・賃金規程等の整備  ・早めに問題となる就業規則を改善・整備しておく。
 
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